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衆議院解散と国民栄誉賞授与の関係は?解散のサイン?

 

 一部には衆議院の解散風も吹きつつあるようだが、総理大臣の心の内を外側からうかがい知ることは難しい。ミサイルを飛ばしてくる国の指導者の心の内も同様だろう。結局のところ、本人しか分からないと言ってしまえばそれまでのことである。

 

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総理大臣は支持率を気にする人

 一方で、その行動から総理大臣の心の内を推測することは不可能とも言い切れない。俗説も含めて、色々な推測方法が世に言われているところだが、国会を解散するとなると、当然、その後には総選挙が控えているわけで、選挙がある以上は一議席でも多くの獲得を目論むことになる。簡単に言ってしまえば、どうすれば多くの票を獲得出来るのかを考えることになるのであり、当然、支持率なり好感度なりを政治家としては気にすることになる。

 

支持率向上に向けて

 支持率や好感度を高めるために、政権としては様々な取り組みを行う。その時々で、その取り組みは異なるが、そのひとつが国民受けのする分かりやすいことを行うということがあげられる。 

 

支持率向上のための国民栄誉賞

 分かりやすい例として、国民栄誉賞の贈賞があげられるだろう。必ずしも、国民栄誉賞と解散総選挙が関係しているわけではないが、直近では、野田内閣が2012年11月7日に吉田沙保里に国民栄誉賞を贈り、その直後の11月16日に解散が断行されている。
 その前の麻生内閣の際には2009年7月1日に森光子に国民栄誉賞を贈り、13日に解散を表明し、21日に解散を断行している。
 さかのぼると、1993年2月に宮澤内閣が作曲家の服部良一に国民栄誉賞を贈り、少し間は空いたが同年6月に解散した例もある。

 

国民栄誉賞贈与で支持率は向上しているのか

 これまで、これまでに23個人と1団体に対して国民栄誉賞は授与されており、その全てが解散の近くに行われたわけではないが、奇しくも野田内閣や麻生内閣は次の総選挙で政権交代を許している。まさに政権末期に、政権の浮揚策のひとつとも目される国民栄誉賞の授与がなされたのかもしれない。

 

国民栄誉賞授与は支持率が高ければ必要ない

 ちなみに、現在の安倍政権下では、4名に国民栄誉賞が授与されているが、その全てがいわゆるスポーツ選手である。対して、直近の長期政権ということで思い浮かぶ小泉政権下では、国民栄誉賞は授与されなかった。小泉政権を考えると、国民的な支持があれば、国民栄誉賞の授与に頼る必要もないということなのかもしれない。

 

 もし、次に国民栄誉賞の話が出始めたら、それは解散のひとつのサインかもしれない。