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民進党役員人事を読み解く バランスを保ちつつ慎重な船出を前原新体制は果たしたのではないだろうか

 

 前原新代表の下、民進党の新執行部が動き出した。

 幹事長人事を巡って混乱があったものの、報道では「最初から躓き」と言われているが、顛末を見れば、的確なリスクヘッジがなされており、より大きなダメージを事前に回避しての船出となったと言えるだろう。

 

 

民進党 代表・役員人事決定

 

 前原新執行部の主な構成は以下のとおり。
 
代表:前原誠司
代表代行:枝野幸男
幹事長:大島敦
政務調査会長:階猛
選挙対策委員長:長妻昭
国会対策委員長:松野頼久

 

代表代行 枝野幸男

まず、代表選挙を戦った枝野氏を代表代行で処遇して、挙党体制を築くことを前面に出している。枝野氏を無役にすれば、それだけで挙党体制ではないと批判されることが明らかで、かと言って、幹事長や政務調査会長にというわけにもいかないことから、代表代行というのは無難な落としどころだろう。

 

幹事長 大島敦

焦点となった幹事長には、大島敦氏が充てられた。前原氏を支持して、陣営の選対本部長を務めていたことにより、その実務能力も買われての起用とされている。大島氏は党内グループの素交会の会長を務め、昨年の民進党代表選でも前原氏を支持して前原陣営の選対本部長を務めている。直近二回の代表選を中心になって支えた功績ゆえの人事と言えるだろう。

 

政務調査会長 階猛

政務調査会長には、階猛氏が抜擢された。階氏は旧細野グループの事務局長を務め、細野氏離党後もグループの中心として前原支持を表明し、今回の前原氏の勝利にも大きく貢献した。その実務能力は高く評価されており、当選回数は4回と多くないものの、政務調査会長として適任と言えるだろう。

 

選挙対策本部長 長妻昭

選挙対策本部長には、長妻昭氏。全国的にも知名度が高い長妻氏が選挙の陣頭指揮にあたるということになるのだろう。なお、長妻氏は枝野陣営の選対本部長を務めていた。長妻氏の処遇を見ても、代表選で対立した陣営にも配慮したことがうかがえる。

 

国会対策委員長 松野頼久

国会対策委員長には松野頼久氏が充てられた。松野氏は旧維新の党のメンバーから成る「創新会」の会長を務めている。旧維新の党の勢力も現在の民進党の中で無視できない存在であり、その勢力の半分ほどを押さえる「創新会」の存在も今回の前原氏の勝利に一役買っている。その会長の松野氏の起用も挙党体制の構築を考えると妥当な判断と言えそうだ。

 

 こうして主な役員人事を見ると、前原氏を支えた党内の各グループを取りまとめる人物をバランス良く配置していることが分かる。

 

 そうなると、いわゆる前原氏自身のグループの議員の処遇が課題となるところだが、まずグループの一員の泉健太氏が組織委員長に充てられた。泉氏は前原代表と同じく京都の選挙区選出であり、前原氏との距離もグループの中でも近い。そして、役員待遇ではないが、役員室長にグループの中でも最側近の一人である小川淳也氏が充てられた模様である。


 9月7日には、前原代表ら新執行部が連合へ新体制発足の挨拶に足を運んでいる。そこには小川氏も同席しており、前原代表が身近に自らのグループの信頼出来る議員を配置したことがうかがえる。

 

 いわゆる党内バランスを考えつつ、慎重な船出を前原新体制は果たしたのではないだろうか。