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民進党前原新代表、慎重な姿勢に終始 代表としての強い覚悟が垣間見える

 

9月1日の民進党臨時党大会で、前原誠司氏が新代表に選出された。

 代表就任にあたって行われた記者会見でのやりとりが公開されている。主な質問点は、以下の六つであった。

 

  • 党運営・人事について
  • 衆議院補欠選挙について
  • 目指す社会像の発信について
  • 野党連携について
  • 憲法論議について
  • 代表選挙を振り返って

 

党運営と人事については、前原代表が就任あいさつで「難しい船出だ」と表明したことを受けて、その真意をただす質問がなされている。前原代表からは、代表選で国会議員票の中に白票があったことから、そのように表明したとの真意が語られ、挙党一致体制を築くための人事を行う旨が表明されている。人事については、前原代表は記者からの質問に対して慎重な応答に終始している。既に、山尾志桜里前政務調査会長を幹事長に当てる人事案を取り下げて、大島敦元総務副大臣を起用する方向で調整に入ったとの報道がなされているが、挙党一致の体制作りは慎重を要することであり、就任時の記者会見の時から、その姿勢は見て取れると言えるだろう。

 

衆議院の補欠選挙については、10月22日に三つの選挙区での実施が予定されている。この補欠選挙における野党共闘について質問されているが、これに対しても各県連の状況を見ながら判断すると言う慎重な姿勢に前原代表は終始している。

 

目指す社会像の発信については、前原代表が代表選で掲げた「All for All」と関連したやりとりがなされている。前原代表は、「我々としてはマニフェスト、どういう社会を目指していくのかということも含めた、国民にわかりやすい像を示してまいりたい」と語っており、具体的にどのような政策が提示されるのか、今後の焦点をなるものと思われる。

 

野党連携については、代表選の最中から一貫して、前原代表は「理念・政策が大事である」と語っており、就任後の記者会見でも同様の発言が繰り返されている。ただし、「私が代表にならせていただいたわけでありますが、代表は独裁者ではありませんので、これからまとめる執行部の中でどういう判断をしていくのかということについては議論していきたい。」と、若干これまでとは異なるトーンの発言もしており、野党連携を進めたいと考える党内勢力にも一定の配慮をした発言がなされている。

憲法論議についても、「代表は独裁者ではありません」という表現を用いて、今後党内でどのように議論していくのか検討すると表明されている。ここでも慎重な発言が前面に出ている。

 

代表選挙を振り返ってということで、枝野氏との共通点を尋ねられると、前原代表は「再分配をより重視して、多くの不安を、国民の持っている不安を解消していく。そして新たな社会の好循環をつくっていく。この社会像というのは極めて酷似しているのではないか」と答えている。この点は、代表選での論戦でも同様の発言をしており、その繰り返しとも言える。

 

最後に代表選の感想と民進党の党勢について尋ねられ、国民の見方は厳しいことを認めた上で、自民党に代わる選択肢を作り、それを国民にしっかり伝えていくことの重要性を力強く表明している。

 

全体として、記者会見で前原代表は慎重な姿勢に終始していた。これは、その後に出演したテレビのニュース番組でも同様であった。民主党政権の失敗の反省に上に立った、まずは慎重なスタートをという姿勢。二度目の代表就任で、もはや浮かれるようなことはないということかもしれないが、前原代表の慎重なスタートには、代表としての強い覚悟が垣間見える。